大人のアトピー性皮膚炎がカフェイン断ちで改善するかどうかを検証

更新:2020年11月09日 10:40

この記事では大人になってからアトピー性皮膚炎を発症した筆者が、その原因と症状改善を目指した実証を記録していく。

この内容が同じ悩みに苦しむ人に少しでも役に立つと嬉しい。

長い文章になってしまったため、結論から先に言っておくと残念ながら「カフェイン断ちだけではアトピーが治ることはなかった」ということ。

ただし様々な副次的なメリットはあった。

大人になってから発症したアトピーと筆者の付き合い

そもそも大人のアトピー性皮膚炎とは

子どもの頃に症状として持っていることが多い「アトピー性皮膚炎」だが、逆に加齢によるバリア機能の低下やストレス・不規則な生活等が引き金となって大人になってから発症することもある。

症状としては特に胸や背中・顔・頭・関節部などの皮膚の薄い部分を中心に酷いかゆみを伴い、肌を掻くことによって同時にフケや湿疹などを伴う治りづらい厄介な病気。

子どものときに発症した場合には、未熟であった防御機能が大人になるにつれて発達しアトピー自体が改善するケースがあるが、大人になってから発症するこのアトピーは、生活の変化が難しいことから特に治りづらいとして一般的に認知されている。

具体的な症状と治療

私の場合の具体的な症状は全身がかなり乾燥肌となり、先述したような幹部にひどい痒みを伴う。

それらを我慢できずに掻くことで、ボロボロと皮がむけ酷い場合には炎症を起こしたり多くのフケを出したりと、とても耐えがたい状態となる。私の場合は見た目はそこまで酷くはないが、悪化すると患部の赤みが増したりと見た目に影響を及ぼす程度。

治療としては皮膚科で漢方やグリセリン・プロトピックなど、また頭部・顔・身体の3カ所に分けてステロイドが処方されており、肌に塗ることによってかなり痒みや炎症は軽減はされるものの、これらは根本的な解決には至らないと個人的には思っている。

また診断によって「アトピー性皮膚炎」とはっきりと診断される前は、症状がかなり似ているため「脂漏性皮膚炎」だと思っていた。この辺りの見極めは専門家でも難しいらしい。

また皮膚を強く掻いたことにより、「血管拡張性肉芽腫」や「イボ」なども併発し余計に皮膚科にお世話になるという事態にも進展した。

お風呂では身体を洗いすぎると出た後にカサカサがひどく、ボロボロと皮が剥けたりかゆみが出たりとこちらも辛い症状が出る。

さらに入浴時や対戦ゲーム、外での発汗時、イライラした時など身体が温まるとかゆくなる傾向にあることが顕著だった。

このように文字を打ってるだけでも身体がムズムズしてくるような耐えがたい症状と一緒に日々過ごしている。

発症とそのきっかけ

筆者は現在30歳半ばであるが、アトピー性皮膚炎を本格的に発症したのは30歳を過ぎた直後くらいから。20代のころは少し痒みを伴う湿疹がポツンと身体にできる程度の症状でありそこまで酷い症状は持っていなかった。(思えばこれは予兆だったのかもしれない)

そしてちょうどそのころ仕事がフリーランスとなり自宅での作業が中心となったため、当初は原因がそれらによるストレスによるものと思っていた。(一般的に大人アトピーの原因はストレスによるものとされる)

単純に考えるとストレスが原因と言っても、そもそもストレスを与える根本的な原因がどこかにあるのではないかと常日頃から考え、半ば諦めながらも大人アトピーと付き合っていた。


生活習慣を見直す

実際の生活習慣

生活習慣から原因を見出すには心当たりがありすぎた。

基本的に昼夜逆転をしており、長時間のデスクワークや若干の睡眠不足や運動不足が目立つ。

どう考えても原因はこれらではないかと思い、実際に改善を目指したがアトピーには効果が見られなかったため他の原因を探した。

大人アトピー以外の症状

またアトピー以外の症状をみてみると、酷い肩こりや背中(肩甲骨)の痛みがほぼ常時、たまにそれらに起因する頭痛などが現れることがあった。

また診察では問題なかったが期外収縮という心臓の不整脈もあるため、どう考えても血行がおかしいことが分かる。

コーヒーや甘いものが仕事のお供に

自身の生活を振り返る中で、ちょうどフリーランスになったと同時に仕事時には必ずコーヒー(またはカフェオレ)を飲むようになったことに気付いた。

また頭の回転を良くするためにもチョコレートなどの甘いもの、カフェインの入っているものを頻繁に食べるようにもなった。

さらに食事後には必ず温かいお茶も飲んでおり、気付けばこれらにもカフェインは含まれていたことに気付く。

自分の中ではカフェインに特に依存しているとは思っていなかったが、生活の中にはこれだけカフェインを接種する機会を自然と設けていて「もしや?」と思うようになった。

そういえばコーヒーを飲んだ日にちょっと徹夜気味になると先述した心臓の期外収縮が出てくるのを感じたし、当然肌も痒かった。

そんな折、ネットでこんな書き込みを見つけた。


「コーヒーを止めたらアトピーが治った」


カフェイン断ち生活を始める

そんな流れがありすぐさまに「カフェイン断ち生活」を始めた。

長い前置きはここまでにして、ようやく実証に入っていこうと思う。具体的には、コーヒー・お茶・チョコレート・ココアなど代表されるカフェインを含むものを摂取しない生活を続けること。

飲み物は基本的に水しか飲まず、一度に大量は飲まずに一定間隔で意識しながら飲むことにした。

検証開始日は2020年09月06日から。

1日目~

24時間経過したが特段効果は見られず、まだまだ乾燥肌であり肌荒れは酷い。

カフェイン中毒の場合はカフェイン断ちをすると、最初の数日はかなり辛いらしいが頭痛などの症状は見られなかった。しかし、カフェインの力が無いためかいつもより昼食後の眠気が大分強く感じた。

1日半(36時間)くらい経過した時点で眠気が凄くなってきて、昨晩8時間も寝ているにも関わらずうっかり夕方から夜にかけて寝てしまう。ここまで眠気が来るのはもしかしたらこれが自分の場合のカフェイン中毒の症状なのかもしれない、とにかく眠かった。こういった違いが生じるということは、やはりカフェイン断ちには何かしら意味があるかもしれないと期待も膨らむ。

体からカフェインの悪影響を抜くにはリスボン大学の調査で7日から12日ほどかかるとネットで見たので、まずは1週間を目指すことにした。

3日目~

2日(48時間)ほど経過した後、寝起きだったのだがわずかに頭痛が発生。目の奥から後頭部にかけてずっしりとした重みを感じ、わずかにジンジンと痛みがする。

正直カフェインを断つことで眠くなることは予想していたが、まさか頭痛まで発生するとは思わなかった。

各所で頭痛が伴うと書かれておりまさかそんなことはないだろうと高を括ったが、実際にこれを書いている今頭痛がするので何も言えない。

肝心の肌への変化はあるのかどうかだが、正直まだ何も大きな変化はないと言ってよい。相変わらずポロポロと頭からフケは出るうえ、全身に痒みもある。ただひどすぎる乾燥肌(特に顔)がカフェイン断ち前よりも若干オイリーになっている気がする。

またフケも完全にカサカサではなくオイリーというか、パラパラと崩れ落ちるのではなく若干水分を伴ってまとまるようになっている。

3日(72時間)経過後、お風呂に入った後に普段であれば酷くカサカサする現象があきらかに軽減する。化粧水や乳液の肌へのノリが良い。

5日目~

4日(96時間)経過、目立った変化はないが、カフェイン断ちを開始する前よりもフケがかなり細かくなった。ただまだ痒みはあるし、頭以外も特に変わらない。

この頃からコーヒーを飲まずに生活することがややつまらなく感じ出す。中毒的な症状なのか、はたまた嗜好品であるがゆえのただの生活の中の物足りなさなのかは分からない。

7日目(一週間)~

一週間経過、寝入りが相変わらずすごく良いのでここは大きな変化。

肌の痒みやフケは4日目以降そこまで軽減できていないが、お風呂の後の酷いカサカサはほとんどでなくなった。

また、別の大きな変化としてカフェインを止めてから不整脈(期外収縮)が出ていない。以前であれば、少しコーヒーを飲んで少し夜更かしするものならば、心臓の鼓動を感じることが多かったので、ここに関しては完全にカフェインのせいだったと思われる。

もしくは、睡眠の質が向上したことによる恩恵かもしれない。おそらくカフェインを控えることから、睡眠の質が向上して、必然的に肌のターンオーバーや不整脈防止に繋がっていくのではないかと予想している。

ここから節目となる12日目を目指すとともに、より大きな変化と運動不足解消を求めて筋トレやジョギングも取り入れていきたいと思う。

12日目~

カフェイン断ちに加えて、連日30分程度のジョギングと筋トレを混ぜながら様子見。

変化があったのは代謝が良くなったせいか体感温度がいつも暑いこと。またお風呂でのシャンプーの泡立ちがよく、1度洗いでも十分なほどに泡立つようになった。

肌は汗をかくせいで痒みが増し、赤みが増すなどあまり良い方向へ行っていないので続けることで良い方向へ向かってほしい。

20日目~

運動を続けながら様子見するもこれ以上の大きな変化はない。ただアトピーは汗を毎日運動でかいているとかなりマシな気がするので続ける必要がある。

またあまりに睡眠不足になると期外収縮は起こることが分かった。

さらに一時コーヒーを飲む機会があり3週間ぶりにカフェインを摂取すると、やはり期外収縮が起こる。カフェインは確実に脈拍に影響している。

2ヶ月(60日)

カフェイン断ちから2ヶ月が経過したがこれ以上の目に見えた成果は見えなかった。

アトピーに関しては頭のかゆみやフケなどの症状は激減した一方で、今度は身体(胸・背中・お腹・太もも)にひどい痒みや炎症が起こってしまった。

カフェイン断ちと同時に使っていたステロイドを止めたことと、時期的に乾燥してくることが関係するものと思われる。

結果的にみるとカフェインを断っただけではアトピーにはなんら効果は無さそうということ。ただし利尿作用の抑制による乾燥防止くらいにはなるかもしれないし、自分の場合は不整脈は確かに無くなった。

カフェインを止めることのメリット・デメリット

以下は検証中に分かったことです

メリット

特にメリットに感じることは睡眠の質が向上したことで、端的に言うと寝入りがすごく早くなった。夜眠くて眠くて仕方がない状態となり、自然と身体が休息へと向かうイメージ。(逆にカフェインを摂取しているとこの状態がなかなか来ない)

また本検証で一番結果を出したいと思っていた肌に関する点では、1週間経過時点で肌の保湿力がやや改善してお風呂上りに酷くカサカサしなくなった点が大きい。(→その後、残念ながら悪化)

そして不整脈(期外収縮)が出なくなったことも大きなメリット。これは期外収縮が止まらなくて悩んでいて、コーヒーなどを好んでいる人には試してほしい点。カフェインがいかに心臓に負担をかけているか、あるいは自分にとっては過敏に反応するのかが分かった事例となった。

さらにコーヒーを飲まなくなってから目の充血が抑えられるようになった。以前はお風呂上りなど目が真っ赤になることが多く、目を酷使する仕事のせいかと思っていたがそれがほとんどなくなった。

デメリット

コーヒーやエナジードリンクなどカフェインを含む飲み物を毎日飲む習慣がある人の場合、カフェイン断ちをして1~3日くらいは頭痛や倦怠感、極度の眠気に悩まされると思う。

ネット上にも同様の人が多数いるほか、大丈夫だろうと思っていた私でさえ頭痛が起きて、ひどい眠気がきていつもより眠ってしまった。

またカフェイン断ちから1週間ほど私の場合はコーヒーだが、コーヒー片手に仕事ができないことから日常がややつまらなくなり、心のどこかでコーヒーを欲してしまう感覚を抱いた。

さらに最初の1週間は特に圧倒的に仕事の作業効率や生産効率、勉強の効率などは落ちるかもしれない。気持ちがフワフワしてしまい、とにかくやる気そのものがどこか欠けてしまう感覚があった。1週間を過ぎればかなり調子は戻る。

結果をまとめ

2ヶ月目の報告と内容は被るが、カフェイン断ちによってアトピーが治ったり収まるということは無かった。自分の場合は頭のかゆみとフケは激減したが、今度は身体の広い範囲に痒みとそこからの炎症が起きてしまった。

アトピーは胃腸の調子が悪いことで起こっているらしいので、運動を継続しながら姿勢(胃腸に負荷をかけない)と食事を抑える(胃腸を休める)ことを意識しながら今後は経過を見ていこうと思う。(もちろんカフェインも抑えつつ)

実はこれに関しても既に1ヶ月ほど実戦しており、断食や筋トレなども交えて経過観察を行ってきた。

しかし運動を続けながら丸1日断食を挟んだり、半身浴などをして体重は2㎏ほど減少したが、ぶり返してしまったアトピーによる痒みと炎症は酷いものでいくら体質を改善しようとしても良くはならなかったため、こうなってしまったら諦めて一旦ステロイドによる治療を行うことがベストだと思う。

痒みと炎症を一旦落ち着かせてから体質改善や自律神経を整えることにシフトしていこう。

ざっくりと書いてしまったが、ここ1ヶ月の実践や今後の記録に関しては別の機会にまとめて記事にできたらと思う。

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